ご指名によりまして一言、お祝辞を述べさせていただきます。
(はじめの言葉)
本日の花嫁さまでいらっしゃいます○○さんが、私どもの高校をご卒業になりましたのは、いまから四年あまり前でございますが、そのころの○○さんはテニスの選手だったせいもありまして、お友だちから「クロちゃん」とあだ名されていたほど、色が黒く、活発で、元気そのもののお嬢さんでございました。
その○○さんが、いまここにまばゆいばかりの花嫁姿で、新郎のおそばにしとやかにすわっておられるご様子を拝見して私は名状しがたい感慨のわき起こるのを押さえることができません。
その感慨をしいて言葉に現わせば、「あのクロちゃんが、いつのまに、こんなに色白で美しく、しとやかなお嬢さんになられたのだろう」という驚き。
そして、だれかれ構わずにつかまえて、「ほら、見てください。あの美しい花嫁さんを・・・あれは、わたしの昔の教え子なのですよ」と誇りたいような気持と申してよろしいでしょう。
○○さんの高校時代の三年間、お勉強のお相手をしただけのわたくしでさえ、こういう気持ちなのですから、○○さんがお生れになってからきょうの日まで、手塩にかけてお育てになったご両親のお喜びは、いかばかりでしょうかとお察し申しあげます。
お父さま。
お母さま。
ほんとうにおめでとうございます。(頭を下げる。)