相談者の感情や話し方に合わせて話をすることです。
これには、営業でよく使われる「ペーシング」という方法が効果的です。
たとえば、何か不当な扱いをされて怒っている部下が相談をしてきた場合、社長が冷静な態度でなだめようとすると、「私の気持ちをわかってくれない」と、かえって部下の怒りが増してしまいます。
そこで一緒に怒ってみせれば、部下は安心し怒りも収まります。
また、部下が悲しんでいるときには、社長も一緒に悲しむ態度を見せることでその悲しみが癒される効果があります。
普通に話をしているときでも、相手の動作や口調をまねたりすることによって、相談しているほうは相手が共感してくれていると思い安心するのです。
相手の話をよく聞いていることを態度や言葉で示すことも大事です。
これにはカウンセリングで使われる「アクティブ・リスニング」という方法が応用できます。
ペーシングに似ていますが、こちらは感情や口調を同調させるのではなく、相手が話をしやすいようにあいつちを打ったり、相手の言葉を反復したりするやり方です。
たとえば、部下が「先方が急にアポイントを取り消すと言うものですから困りました」と言った場合、「それは困ったねえ」と同じ言葉で返すのです。