社長が相談を受ける場合に重要なのは、結論を先に出さないということです。
社長が結論を言ってしまうと、部下はそれに違和感を覚えても従わなくてはなりません。
それが部下にとって重荷になり、「こんなことなら相談なんかしなきゃよかった」となりがちです。
したがって、部下が自分で答えをみつけられるように導いてやるのが相談を受けるときの基本です。
たとえば、「取引先が契約の約束を取り消すと言ってきたのです」と部下が説明したときに、「すぐ紹介者に連絡したのだろうな」と聞くと、部下は「しました」とか「していません」と答えるしかありません。
それでは「紹介者に連絡する」という方法を社長が強制する形になってしまいます。
このように「イエス」か「ノー」かで答えさせる質問の方法を、「クローズドの質問」といい、相手の自由な考えや意見を抑制してしまうのです。
このとき、「それでどう対応したのか」と聞けば、部下は自分がとった対応を説明するか、これからとろうとしている対応を説明することができます。
これを「オープンの質問」といい、相手の自由な考えを引き出すことができる手法です。
この後さらに、「次にとるべき手は何か」などと聞いていくことで、部下は自分の意思で対応を選択できるようになります。