社長が変化の兆候をつかんで、先取りして対応策を準備していかなければ、変化のスピードについていけないばかりか、利益を生み出すことなど到底できません。
ところが、いまだに古臭い戦略を後生大事にとりつづけ、利益を上げるためになんらの工夫もなく、"悪いのは不景気だ"と思い込んでいる社長がたくさんいます。
ある企業は、かつては年々事業を拡大し、売上高も伸ばしていました。
ただ、バブル経済にあっては、どんな経営をやっていても、それなりの利益が出たのです。
それを、社長は、自分の力だと思い込み、自分の経営手腕に驚くほどの自信をもってしまいました。
そうなると、エエカッコしいの性格が頭をもたげます。
地道に利益を追求することよりも、世間体を気にするようになってしまったのです。
売上高の多いことだけに、まずミエをはります。
そして、自己資金で本社ビルを新築したまではよかったのですが、利益が減少しているにもかかわらず、わざわざ借金までして保養所を建てたのです。
これでは、変化に対応して売上高を伸ばしたとしても、利益は借金返済に回ってしまいます。
そのうえ、社長は
「顧客満足度を高めるためには」
「ワン・ツー・ワン・マーケティングをやらなければ」
「地域に対して社会的貢献をしなければ」
などと、立派すぎることをいいます。
しかし、その意味がほんとうにわかっていなければ、そして、実行できなければ、会社に利益をもたらすことはできません。