社長自身が仕事を押しつけられてやっているようでは、部下はますますヤル気がなくなります。
社長だけが仕事の意義をわかっていて部下に教えないというのでもいけません。
社長自身、仕事の意義がわからず、危機感もなく、締め切りを決めてスピードアップする姿勢もなく、自己実現の方向がはっきりしないようでは、部下はヤル気がなくなります。ヤル気は、社長から部下に対して伝染していくものなのです。
部下は、孤立無援の存在ではありません。
必ず家族がいます。
新入社員でもご両親がいるし、結婚していたら奥さんがいるし、子供がいる場合もあります。
部下にヤル気を出させるためには、部下の家庭の幸せをつくってあげることです。
これからの時代は、働く女性がもっと増えますから、女性の部下も多くなります。
奥さんが仕事をすることによって、ご主人もハッピーになる状況をつくるのです。
家族が積極的に応援できる状況をつくってあげなければいけません。
働いて給料をもらうだけではなく、家族にも「あの会社で働いてよかったね」
と言われるような会社にしなければいけません。
居酒屋の「和民」は、平均年齢が20代で若い従業員が多い。
渡邉美樹社長は、社員のお母さんに「おたくの息子さんはとても頑張って仕事をしています」というメッセージを添えて、「母の日」のプレゼントを贈ります。
お母さんは「おまえはいい会社に行っているね。
社長さんからわざわざお花が届いたよ」と、息子に感謝します。
息子としては、母親の手前一応メンツが保てます。
これが仕事の上でのモチベーションをアップさせます。
部下は、往々にして会社とつながっているのは上司だけという大きな思い違いをしがちです。
こうした細かい配慮をすることで、直接本人を喜ばせるだけではなく、間接的に喜ばせることができますから、家族に対して本人をほめることが大事です。