社長は、サッカーの監督と同じです。
サッカーの監督は、グラウンド内には出ていきません。
ダメな組織とは、監督がグラウンドに走っていってしまう状態です。
こんな陳腐なことはありません。
グラウンドで試合が始まったら、もう監督のやる仕事はありません。
監督がボールを蹴ってはいけません。
選手がグラウンドに出ていく前にヤル気を引き出し、勝つイメージづくりをすることが社長の仕事です。
社長が部下に与えなければいけないのは、勝つイメージです。
ところが、「何がなんでも頑張れよ」とか、「失敗したら、わかっているな?」
という言い方をする社長が多いのです。
そうすると、部下は「失敗したら大変なことになる」と思ってしまいます。
日本の選手は、試合に臨む時に「失敗したら大変」というネガティブなイメージを背負って試合に出ます。
代打で出ていく時「三振するなよ」と言われると、「三振したらどうしよう」という気持ちでバッターボックスに入ることになります。
だから、結局三振してしまいます。
オリンピックの場合、「おまえ、もしここで負けたら日の丸に申しわけないそ。
国民の皆さんにどうおわびするんだ」と言われて試合に出ます。
そう言われると、選手はかたくなって緊張してしまい、実力を発揮できません。
「失敗しないように」というイメージを与えることは、勝つことを前提にしていません。
社長の仕事は、失敗しない組織づくりではないのです。
勝つ社長になり、勝つ組織をつくり、勝つ人材育成をしなければなりません。