東京のある一流レストランに、優秀なウエイターがいます。
アルバイトでは一番高い時給1500円を取っています。
接客業としてはすぐれた人材で、お客様とすぐ友達になれるのですが、彼の弱点は、時間が守れず遅刻が多いことです。
今までの社長のやり方なら、「ちょっと来い。おまえは遅刻が多いからクビにする」と、すぐ切ってしまいますが、それではダメです。
ゲーム的な感覚で部下を育てていかなければいけません。
「おまえは接客に関しては天才的な力を持っている、だから私は1500円の時給を払っている」と、まず切り出します。
「ただし遅刻が多い、これではチームワークで乱れる」と注意する。
その後で、「1ヵ月の問に、遅刻を3回以上したら時給を850円に下げるが、それでいいか」と聞くのです。
いきなり「クビにする、時給を下げる」と言うとヤル気がなくなって、優秀な人材を失ってしまいます。
彼は、サービスに関しては才能はあるけれども、出社時間を守ることができないだけです。
欠点があるからといって人を切っていくと、ある特殊な才能を持っている人間を集めることはできません。
すべての人間には、欠点と長所がありますから、その長所を生かしていくのが社長の仕事です。