エグゼクティブの人数というのは、せいぜい二十名か三十名ぐらいであるから、そこでは人間を知らないための見落しというものは起こり得ないし、誰が先輩で、誰が後輩かということも問題でなくなる。
仕事がよくできて、勉強している人を、社長にすればいいのである。
サラリーマン社会では、ポストが上になればなるほど、勉強しなくてはいけないし、仕事をしなくてはいけない。
係長より課長、課長より部長、部長より事業部長といった具合に、上になればなるほど仕事をする必要がある。
自分よりポストが下の人よりも仕事をしない人はいずれ脱落する。
社長になれば、さらにこの傾向は強くなる。
社長は、どの部長たちよりも仕事をしなくてはいけない。
それなのに、自分が社長になったことで安心して、部長クラスの人より仕事や勉強をしない人がいるが、こういう人がだめな社長である。
社員だったら、仕事をそれほどしなくても、定年まで会社にいられるが、社長の任期は、二年である。
二年たったらやめてもらうようになる。
やめさせられなくても、後輩に追い越されることは覚悟しなくてはいけない。
いずれにしても、社長になったら、年功序列も、定年もないのが普通であるということを肝に銘じておくことが必要である。