能力のない社長は、放っておくと、そのうちどうにもならない失敗をします。
そのときあなたは、かりにも、「責任は私にもあります」などという発言をしてはいけません。
すべての責任は社長にあり、部下の自分たちはまったく関知していないということを強調しなければなりません。
この手の社長は、責任を部下になすりつける能力はかなりありますから、そんなことにならないよう、ゆめゆめ油断をしてはなりません。
私たちはまったく責任などありません、社長のあなたがすべて独断でされたことで、私たちはただただ、おっしゃるとおりにしただけです、と冷たく突き放すことが大切です。
さもないと、いつのまにか、あなたも共同責任者に仕立てられてしまいます。
いばりたい社長はいばらしておけばいいのです。
もしあなたがむしょうに腹がたって、なんとか仕返しをしてやろうと思っているなら、社長の足を引っ張ればいいのです。
仕事の能力はあまりない社長ですから、落とし穴を作って知らん顔をしていることです。
そのくらい、あなたにとっては造作もないことでしょう。
そして、社長がそのわなにはまったとき、「たいへんでしたね、大丈夫でしたか」とおべんちゃらを言ったらいいのです。
もちろん、あなたは、内心それみたことかと手をたたいて喜んでいることでしょう。
しかし、そんなそぶりはちょっとでも見せてはいけません。
さも同情するようなふりをして、社長に近づくのです。
これほど愉快なことはないでしょう。
能力もないくせにいっぱしの社長風を吹かす人間は、これくらいのお仕置をしてやらないとこたえません。