部下の遅刻を注意しておきながら、自ら遅刻する社長がいる。
社長失格である。
若い部下たちは、社長を手本に育つのである。
日常の言動、一挙手一投足が部下の手本となるようにしなければならない。
仕事の教え方の一つに、「やってみせる」というのがある。
要するに、手本である。
いくら言葉を尽くしても、あるいは丁寧でわかりやすいマニュアルを読ませても、手本を示さなかったらなかなか指導効果は得られない。
新人の指導を社長自身が担うのは、担当のトレードについては現役プレイヤーとして最高の実力を持っているからだといえる。
つまり、現場で手本を見せることができるからだ。
会長もプレイングマネジャーのケースが多いが、管理業務に時間をとられる。
比率が高くなるのでプレイヤー能力は自然、下がっていくものだ。
現役の力としては、社長のほうが上になっている場合が少なくない。
社長になると、管理業務に専念するから、ことトレードに関しては手本を示せなくなっているのが普通だ。
現場で手本を示さなければならない社長は、したがって実務の力を落とさないように、というより、常に部下の上をいくように、腕を磨き続けていなければならない。
でないと、部下が師として仰がなくなる。
会長でも、プレイングマネジャーの面が強い場合は同様であることはいうまでもない。